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デジカメ“一芸”をアピール(産経新聞)

 コンパクトデジタルカメラが進化している。今や画素数やズーム倍率、自動補正などの基本性能は、同クラスの製品では横並び。こうした中、ユニークな機能でアピールする“一芸デジカメ”が続々と登場している。撮影に必要というほどでもない機能で楽しみを膨らませる“一芸デジカメ”は、果たしてどこまでヒットするか?(草下健夫)

 ◆上映会もこなす

 撮影後、カメラを白い壁などに向けて置き、ボタンを押すと正面の窓から写真動画が映し出される。ニコン「クールピクスS1000pj」は、世界初のプロジェクター内蔵だ。「モニターやプリンターがなくても、撮ったその場でみんなで楽しめる」とニコンイメージングジャパン広報宣伝課の萩原寛人さん。

 3年ほど前に『欲しいカメラ』の社内アンケートで挙がったが、当時はカメラに収まるほど小型で、映写に十分なパワーの光源は存在しなかった。高性能のLED(発光ダイオード)が開発され、昨年10月に実現した製品という。

 部屋が十分暗ければ、壁と2メートル離して40型モニターの大きさで映写できるという。気になるのは電池の持ちだが、「フル充電で連続1時間程度映写できる」(萩原さん)。

 ◆カメラマン不要

 カメラを丸い台に載せると、台がひとりでに回り始め、周囲の人をパチリ、パチリ…。ソニー「サイバーショット」シリーズの別売品「インテリジェントパンチルター」は、対応カメラを載せると人の顔を探し、動きや人数、大きさなどから構図を決め、さまざまなタイミングで自動的にシャッターを切っていく。

 昨年9月に世界で初めて発売、予想を上回る売れ行きという。「パーティーにはもちろん、子育て中の家庭にもぜひ。これまで父親はカメラマンになってしまい、あまり写らなかったが、これで家族そろった写真がたくさん残せる」と、ソニーマーケティング・パーソナルイメージングMK課の麥(むぎ)谷(たに)周一さん。

 一方、人間の顔を自動認識してピントを合わせる技術を動物に応用したのが、富士フイルム「ファインピックスZ700EXR」など。犬猫の顔(正面のみ)にピントを合わせる「ペット自動検出」で、犬猫がこちらを向くと自動でシャッターが切れる機能も。「飼われている種類の猫の7割、犬の8割ほどはOK」と、同社コンシューマー営業本部の岡田昌幸さん。

 ◆魚拓も取っちゃう

 ペンタックス「オプティオW90」の、釣った魚を撮影し魚拓を取ったような画像に仕上げる「魚拓フィルター」もユニークだ。

 “一芸デジカメ”時代のコンパクトカメラ選びについて、カメラ情報誌『キャパ』元副編集長で写真家の馬場信幸さんは「新しい機能は目を引く。ただ、カメラ背面のモニターで拡大再生しやすいかなどの操作性や、撮影画像の隅までゆがみがないかは、基本的なことでもカタログでは分かりにくい。店頭で実物を手に取り、よく確認を」とアドバイスする。

                   ◇

 ■出荷は前年割れ

 カメラ映像機器工業会(CIPA)の調査によると、昨年1年間のコンパクトデジカメの総出荷台数(海外向け含む)は前年比12・8%減の約9600万台だった。

 ただ、終盤は出荷が上向いたといい、その要因として同会の根上拓・調査統計作業部会長は「ハイビジョンなどの動画撮影機能や高感度撮影、カメラ本体のカラーバリエーションなどの魅力を持った製品が登場し、買い増しや買い替えの需要を刺激した」と分析する。今年は前年比3%増の9890万台を見込む。

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